ARTISAN 1. 鳥越窯 小泉洋介(越前焼 / 陶器 / 福井県)

ARTISAN 1. 鳥越窯 小泉洋介(越前焼 / 陶器 / 福井県)

⬜︎鳥越窯 小泉洋介


福井県丹生郡(にゅうぐん)越前町にある越前焼窯元。越前焼陶芸家の小泉洋介さんは2004年、越前焼最古の窯跡(上長佐古窯跡)からほど近い場所に陶房を構えた。

のどかな自然に囲まれる夏の越前町。山を越えると雄大な日本海が広がる。冬は一面大雪に覆われる。厳しい自然の中の土で出来ている越前焼は、越前町の豊かな自然そのものと言える。

 

越前の特徴である凛々しい茶褐色の土味を生かした作風は、古越前(1180年頃の誕生初期の越前焼)の歴史ある系譜を現代へと紡いでいる。越前焼はその焼かれ始めた時代からつぼ・かめ・すり鉢を主製品(当時の三種の神器的製品)とし、人々の生活の道具を作り続け、共にあった。作品を作る粘土は、小泉さん自らが、採取してきた原土などを精製、調合し使い分けている。厳しくも豊かな越前町の自然に囲まれた工房にて、先人たちの残してきた越前焼に通じながら、日々作陶に励んでいる。

形成を終え、乾燥中の作品。この後窯に入る。丸3日間、基本的にはお一人(!)で夜通し火を焚き続けるとのこと。極限状態の中で焼き上げられる作品にはたくさんの面白みが詰まっている。

 

経歴
1976年 福井県敦賀市に生まれる
2003年 福井県工業技術センター窯業指導所研修修了
2004年 福井県丹生郡越前町小曾原に陶房を築く
2009年 福井県陶芸館に学芸部門リーダーとして勤務
    越前焼の研究を始める
2012年 穴窯を築く
2016年 小型穴窯を築く
2018年 日本陶磁協会奨励賞 北陸展 入選
2020年 伊丹市立工芸センター”北陸のうつわ展
    ー19人の素材とかたちー”出品
2022年 阪神梅田本店”新春を彩る小品展”出品
    日本工芸館壺屋ギャラリー”ことほぎを彩るうつわ 茶器・酒器・器展”出品
日本工芸会 石川支部 研究会員

 

夏の工房の様子。窓の外には豊かな自然が広がる。クーラーがないので夏の工房内は暑かった。  

 

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⬜︎越前焼

日本海に面した北陸地方、福井県丹生郡(にゅうぐん)越前町発祥の陶器。六古窯の一つとして、1180年頃から続く長い歴史を持ち、山と海のある健やかな大自然の中で受け継がれています。北陸の厳しい自然に育まれる土々しさが現れるのが越前焼の魅力の一つ。シンプルで素朴な風合いの陶器は、耐久性があり、また使い込む毎に変化する風合いを楽しむことができます。窯の中で焼き上げる際、、炎や灰の作用により焼き色や景色(けしき)が異なり、一つとして同じモノが出来上がらないのが陶器の特徴。それぞれに違うという個性があり、唯一無二の美が秘められています。
 
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